第6号『機能性胃腸症』
2016/09/26
安倍元総理が「機能性胃腸症」と報道され、どんな病気?と思われた方も多いと思います。でも機能性胃腸症は消化器の専門機関を受診した患者さんのうち約半数もいるといった報告もあり、お腹の病気の中で一番メジャーなものと言えるかもしれません。
最近お腹の調子は悪いし・・・ でも心配して内視鏡検査をして「何でもないですよ」と言われた経験がある方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。機能性胃腸症とは、胃潰瘍などはっきりした病気がないのにお腹の痛みや胃もたれ、吐き気などの症状が出る病気です。胃の働きは食べたものを伸びて溜め込み消化し、腸へ順次送り出すという作業をしています。機能性胃腸症ではこの「ためて消化し、送り出す」胃腸の機能がうまく働かないことが原因と言われ、精神的ストレスや過労なども多分に関わっています。調子が悪くて検査してもなんともない、そういった方はもしかしたら「機能性胃腸症」かもしれませんね。治療は食生活指導、お薬による治療が中心になります。性格や生活スタイルなど、さまざまな要因が重なって症状を引きおこします。主治医とよく話し合ったうえで、もちろん内視鏡検査や血液検査などで異常がないことを確認しなければなりませんし、「機能性胃腸症」と診断されれば症状や生活スタイルに合った治療をしていきましょう。